輸入技工物の話題

「歯科の海外技工物、「輸入反対」が約9割」


 歯科の海外技工物が増えている中、患者の9割近くが「輸入に反対」していることが、「『保険で良い歯科医療を』全国連絡会」の「患者調査」で明らかになった。海外技工物については、全国保険医団体連合会(保団連)の「緊急調査」で、「海外技工物で金属アレルギーや鉛など有害物質の混入が起きても、追跡調査の手立てがなく安全性の保証がない」ことが分かっており、安全な歯科医療を求める患者の要望を含め、海外技工物に対する国の明確な対策が求められている。

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 「患者調査」は、同連絡会を構成する保団連などに所属する医療機関を受診した患者1273人から回答を得た。

 現在、中国など海外で作られた技工物(入れ歯など)が輸入されていることについて、「反対」が86.6%(1102人)に上り、「賛成」は4.8%(61人)だった。
 保団連の「緊急調査」では、安全性の問題が起きた際、原因追跡に欠かせない「国名」「製作日時」「技工所名」「製作者名」「材料」などの情報が海外技工物に明記されている割合が、「国名」30.2%、「材料」24.0%、「製作日時」20.9%、「技工所名」17.8%などにすぎなかった。中国製の食品などから毒性が検出され内外で問題となる中、歯科の海外技工物に対しても、患者が強い不安感を持っていることが「患者調査」で裏付けられた。

 保団連によると、歯科の海外技工物は「厚生労働省が2005年9月に出した通達『国外で作成された補てつ物等の取扱いについて』以降に増大」しており、委託先は中国と東南アジアで全体の8割近くを占めている。
 中国製の義歯修復物からは、米国議会が中国製玩具の回収の目安とした90ppmを上回る210ppmの鉛が検出されたほか、「放射性アイソトープ・トレース」が含まれていたことを米国歯科技工所協会(NADL)が報告しており、保団連は「法律上の制約も行政上のチェックがなく輸入されており、安全性に大きな問題がある」と指摘している。

歯科保険治療の充実を
 「患者調査」では、歯科の保険診療についても質問。「歯科には保険がきかない治療がある」ことについては、「反対」が69.8%(888人)に対し、「賛成」が17.2%(219人)。また、「保険がきかない治療や新しい技術・材料を保険に取り入れること」では、「賛成」が83.3%(1059人)、「反対」が12.7%(161人)だった。さらに、「保険がきく歯科治療を政府がさらに制限しようとしていること」については、「反対」が93.9%(1194人)と圧倒的に多く、「賛成」は4.1%(52人)にとどまった。
 同連絡会は「患者は『保険がきかない歯科治療』に強い不満を持つとともに、『新しい治療技術・材料』を保険に取り入れてほしいと、歯科の保険治療の充実を切実に求めている」と指摘している。






更新:2008/12/08 11:55   キャリアブレイン





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ergo at 2008年12月15日17:25 │Comments(0)NEWS ウォッチ
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